チャンマイ基本情報

山々に囲まれた高原都市・チェンマイは、タイ第2の都市。ランナータイ王朝の面影を残す情緒あふれる山間の古都だ。現在でも街の中には100を超える寺院があり、落ち着いた佇まいを見せている。城壁に囲まれた旧市街内は周囲約3kmとこじんまりしているので歩いて回ることもできるが、日中は日差しが強いため、トゥクトゥクやソンテウなどの乗り物を利用するといい。また、チェンマイ周辺の山間部には、独自の文化を守りながら生活している山岳少数民族の村が点在している。それら少数民族の村を訪ねながら、豊かな自然の中を歩き回るトレッキングツアーが旅行者に大人気だ。

アクセス

飛行機

国内線ではタイ国際航空やバンコク・エアウェイズが、バンコク国際航空とチェンマイを所要約1時間10分で就航している。タイ国際航空は1日8〜13便、バンコク・エアウェイズは1日1〜2便。その他、チェンライ、メーホンソーン、スコータイ、プーケットなどからも便がある。

空港から市内へのアクセス

チェンマイ空港から市内までの距離は約4km。市内への移動はエアポートタクシー(1台100バーツ〜)を利用するのが一般的。所要時間は約15分。国内線到着ロビーにあるカウンターか、外の乗り場で手続きをする。また、空港の外を走っているソンテウやトゥクトゥクを利用した場合は、だいたい60〜80バーツ程度。

鉄道

バンコクのホアランポーン駅から北線に乗車する。所要時間約11〜13時間。SP(新型特急)、EXP(特急)、DRC(ディーゼル特急、スプリンター)など、毎日7本走っている。料金は等級別の運賃に、座種別の料金と特急料金が加算される。

バンコク〜チェンマイ間の料金
1等 593バーツ
2等 281バーツ
3等 121バーツ
寝台料金 180〜520バーツ
特急料金 80〜210バーツ

バス

バンコクの北バスターミナルから所要約10〜11時間。エアコンバスは6:30分〜22:30の間に、30分〜1時間の間隔で運行している。VIPバスは9:00、19:30、20:00、20:30、21:30発の1日5本。私営バスは北バスターミナルと各バス会社から発着。バンコク以外の主要都市からも出ている。

[バンコク〜チェンマイ間の料金]
市営バス 403バーツ
VIPバス 625バーツ
■市内の交通機関

トゥクトゥク

旧市街内なら30〜50バーツ程度を目安に交渉するとよい。頼めば遠距離の走行も可能。トゥクトゥクをチャーターするときは、1時間100〜200バーツ程度が目安。

ソンテウ

チェンマイでよく見かける赤や白の小型トラックのような乗り合いバスがソンテウ。トラックを改造した小型バスで、車体の色によって行き先が違う。赤の車は市内とドイ・ステープ方面、白はサンカンペーン方面、緑はサン・サイ方面、青はランプーン方面、黄色はメー・リム、ドイ・サケット方面。料金は近距離なら10〜20バーツ程度。

サムロー

サムローとは人力三輪車のこと。近距離の移動にオススメ。ワロロット市場付近に待機している。

レンタバイク、レンタサイクル

自転車やバイクのレンタル店は、ターペー門付近に集まっている。自転車は1日50バーツ〜。バイクは車種によって異なり、1日200〜300バーツ程度。バイクを借りるためには国際運転免許証とパスポートの提示が必要。ガソリン代は別。ヘルメットの着用は必須。違反者は罰金を取られるので必ず着用すること。チェンマイ市内は交通量も多く、運転も荒いので普段乗りなれていない人はバイクを運転するのはやめたほうが無難。

おもな観光スポット

■市内

ワット・チェン・マン Wat Chiang Man

1296 年、ランナータイ王朝を興した際に建てられた寺院。もとは宮殿として実際にメンラーイ王が住んでいた。本堂の中に安置されている2体の仏像が有名。1体は1800年前に作られたといわれている水晶の仏像(プラ・セタンガマニ)で、雨を降らせる力が宿っているという。もう1体はインドかスリランカで作られたといわれる大理石の像(プラ・スィラ)で、ソンクラーンのパレードに登場する。

データ
開館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無料
アクセス:ターペー門から徒歩15分

ワット・プラ・シン Wat Phra Sing

1345年に、プラ・ヨー王が父親カム・フー王の墓として仏塔(チェディ)を建てたことが始まりの、チェンマイで最も格式の高い寺院。境内にはさまざまな建物が建っているが、必見は本堂に向かって左側奥のライカム礼拝堂(ヴィハーン・ライカム)。内部にはチェンマイ地方の昔の習慣や民族衣装などを描いた壁画があり、北部タイ伝統芸術の代表作といわれている。

データ
開館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無料
アクセス:スアン・ドク門から徒歩5分

ワット・チェディ・ルアン Wat Chedi Luang

旧市街地のほぼ中央に位置する寺院で、ワット・プラ・シンと並ぶ格式の高さを誇る。チェディ・ルアンとは「巨大なチェディ(仏塔)」という意味で、その名の通り、1545年の地震で壊れるまでは高さ86mもの仏塔があった。1992年にユネスコと日本政府の援助で修復されたが、創建当時の確かな記録が残されていないため、今ではその名残を残すのみとなっている。

データ
開館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無料
アクセス:ターぺー門から徒歩12分

ワット・スアン・ドク Wat Suan Dok

1383年にクーナ王によって、ランナータイ王宮殿の庭に建てられた寺院。広い本堂には、500年前に造られたという、タイで1、2を争う巨大な青銅の仏像が安置されている。釈迦の一生を描いた壁画も見事だ。境内には、代々のチェンマイ朝王族の遺骨が納められている仏塔もある。

データ
館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無料
アクセス:スアン・ドク門から車で5分

ワット・チェット・ヨット Wat Chet Yot

1455年に、ティロカラート王によって創建され、1477年に同王によって仏典結集が行われた寺院として有名。正式名は「ワット・ポタラムマハヴォイハーン」。チェット・ヨットとは「7つの塔」という意味で、本堂の裏には7基の塔が建っている。釈迦が悟りを開いた地、インドのブッダガヤにあるマハーボディ寺院(大菩提樹寺)をモデルにしたといわれている。合掌する神々が描かれた壁面の彫刻はこの世とは思えないほどの美しさ。

データ
開館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無休
アクセス:スアン・ドク門から車で10分

ワット・クー・タオ Wat Khu Tao

1579年から1607年にかけてチェンマイを統治したビルマの王、プレーンノーンの墓として1613年に建てれた寺院。クー・タオとは“ひょうたんのように丸くたれさがったもの”という意味で、団子を積み重ねたような独創的な形をした仏塔がある。

データ
開館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無料
アクセス:

ワット・ウモーン Wat Umong

森の中にひっそりと建っている、瞑想修行を中心とした宗派の寺院。14世紀頃、メンラーイ王により建てられた。山の中にトンネル(ウモーン)が掘られ、その中に仏像が安置されている。寺院では毎週日曜に英語による瞑想説法会が開いている。

データ
開館時間:9:00〜17:00
休日:なし
料金:無料
アクセス:

チェンマイ国立博物館 Chiang Mai National Museum

展示場は1階と2階に分かれており、1階には仏像と陶器、2階にはタイの民芸品などが展示されている。さまざまな仏像が展示されているが、特に青銅の大仏は必見。

データ
開館時間:8:00〜16:40
休日:なし
料金:30バーツ
アクセス:スーパー・ハイウエイ沿い。チャーン・ブアク通りとの交差点から西に約10分

ナイトバザール Night Bazaar

毎日夕方頃から店開きが始まり、18時頃から本格的な営業が始まる。チャン・クラン通りにある3階建てのナイトバザールビルを中心に、周辺の歩道には多くの露天が並び、多くの人で大混雑する。洋服、コピー商品、民芸品、食品などあらゆるものが売られている。

データ
営業時間:18:00〜23:00頃
休日:なし
アクセス:チャン・クラン通りの3階建てナイトバザールビルを中心にその周辺

■郊外

ワット・プラタート・ドイ・ステープWat Prathat Doi Suthep

標高1080mのステープ山の頂上に建つ寺院。麓から頂上までは、両側を2匹のナーガ(蛇神)に守られた階段を登っていく。ケーブルカー(20バーツ/7:00〜18:30)を利用することもできる。この寺院は1383年、クーナ王によって建立され、タイ北部の最も神聖な寺院のひとつとされている。目を引くのは、高さ22mの黄金に輝く美しい仏塔。寺院のテラスからはチェンマイ市街を一望できる。

データ
休日:なし
料金:無料
アクセス:チャーン・ブアク門の向かいに停まっているソンテウを利用すると安上がりだが、8人集まらないと出発しないため、チャーターするのが無難。

プー・ピン宮殿 Phu Phing Palace

1962年に建設された宮殿で、王族が避暑に利用している。王族が滞在していなければ、美しい花々が咲き乱れる庭園の一部を見学することができる。

データ
開館時間:8:00〜16:00
休日:なし
料金:50バーツ
アクセス:ワット・プラタート・ドイ・ステープからさらに山奥に向かって約5q。ドイ・ステープ前からソンテウが出ているが、人数が集まらないと出発しないため、チャーターするのが無難。

メオ・トライバル・ビレッジ Meo Tribal Village

タイ北部の山岳部に住むメオ族の村を見学することができる。未舗装の道路脇にはみやげ物屋が並ぶ。そして、その裏には村落があり、実際に暮らす人々の生活を垣間みることができる。植物園や山岳民族博物館(10バーツ)などもある。

データ
アクセス:ドイ・ステープ前の道をさらに10数q山奥に向かって進む。ドイ・ステープ前からソンテウが出ているが、人数が集まらないと出発せず、帰りの足の確保が難しいため、チャーターするのが無難。

オーキッド・ファーム Orchid Farm

タイ名産の欄の栽培場兼即売場。豊富な品種とその美しさには思わず目を奪われてしまう。奥には蝶の育成場もあり、色とりどりの蝶が飛び交っている。

データ
開館時間:8:00〜16:00
TEL:0-5329-8801~2
料金:20バーツ
アクセス:チャーン・ブアク通りからスーパー・ハイウエイを越えて107号線を北進。メー・リムの町を越えてすぐの三差路を左折。1096号線に入って約4q先の左。

メー・サー滝 Nam Tik Mae Sa

タイ人に人気の滝。10もの段差がある滝で、メインとなる6段目では岩場でピクニックをしたり水遊びするのにぴったり。

データ
料金:国立公園入場料200バーツ、車は1台30バーツ
アクセス:オーキッド・ファームよりも4kmほど先

メー・サー・エレファント・トレーニング・キャンプ Mae Sa Elephant Training Camp

30頭もの象が生活している。毎朝8:00と9:30から始まる1時間ほどのショーでは、サッカーやお絵描き、材木の切り出しなど様々な演目で楽しませてくれる。ハーモニカを吹いたり、踊ったりする象もいるのには驚きだ。実際に象の背中に乗ることもできる。

データ
開館時間:8:00〜14:00
料金:80バーツ(象乗り5分80バーツ、川やジャングルを歩くのは30分600バーツ、1時間1000バーツ)
アクセス:メー・サー滝からさらに5qほど先の左側。

ボー・サーン Bow Sang

竹と紙で造られたチェンマイ特産の傘が作られていることで有名なボー・サーン。かつてはたくさんの工房が軒を連ねていたが、現在では大きな数軒の工房が営業をしているのみ。日本の番傘にも似ているチェンマイの傘はすべて手作業で生産されており、「アンブレラ・メーキング・センター」ではその工程を見学することができる。絵付けの見学も可能で、注文すればオリジナルの絵柄を描いてもらうこともできる。

データ
アクセス:直通のソンテウは、ワロロット市場近くのショッピングセンター裏手の乗り場と、チャン・ムアン通りとバムルンラート通りの交差点近くのバンコク銀行近くの乗り場の2カ所から出ている。

サンカムペーン温泉 Sankamphaeng Hot Spring

硫黄泉質の温泉が絶え間なく湧き出しており、実際に入浴することができる。浴場はバスタブ付きの地味な個室だが、のんびりとお湯に浸かろう。

データ
営業時間:8:00〜17:00
TEL:0-5392-9077
休日:なし
料金:入園料/10バーツ 入浴料(個室)/1時間15〜30バーツ 貸しタオル/5バーツ
アクセス:市内からソンテウをチャーターするのが一般的。所要時間はおよそ40分、1台300バーツ程度。

ルン・アルン温泉 Roong Aroon Hot Spring

サンカムペーン温泉の先にあるルン・アルン温泉。湯元から105度もあるお湯を直接引いているため、湯量も豊富で熱い。

データ
営業時間:8:00〜17:00
TEL:0-5324-8491、0-5324-8475
休日:なし
料金:入園料/20バーツ 入浴料(個室)/1時間60バーツ
アクセス:ソンテウをチャーターして行くのが一般的。所要時間はチェンマイ市内より約45分、300バーツ程度。

チェンマイのお祭り

チェンマイのソンクラーン(水掛け祭り)のにぎやかさはとても有名。だが、その他にもチェンマイでは見逃せないお祭りがいくつもある。主なお祭りは以下の通り。

ボー・サーン傘祭り

1月下旬
大通りに色とりどりの傘が並べられ、コンテストや製作実演販売などが行われる。ハイライトはたくさんの傘で飾られた山車に乗ったミス・ボー・サーンのパレード。

フラワカーニバル

2月下旬
チェンマイ周辺は花の栽培に適した土地。このお祭りは、花の豊穣を祈願して3日間に渡って行われる。カラフルな生花で飾られた山車のパレードはとても華やか。

ソンクラーン

4月13〜15日
タイの新年を祝う行事。チェンマイのソンクラーン(水掛け祭り)は規模が大きいことで有名で、誰彼かまわず無礼講で、新年のあいさつがわりに盛大に水を掛け合う。

ロイクラトン

11月上旬の満月の夜
花で飾り付け、ロウソクに火を灯した灯籠を川の女神に感謝しながら川に流す。チェンマイのロイクラトンは、スコータイに次いで規模が大きい。ピン川を流れていく灯籠の光はとても幻想的だ。日中には山車と民族衣装を身につけた女性たちによるパレードも行われる。