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スペシャルインタビュー
ヨーキー・プレイボーイ

 実力派ボーカリスト、ポップメーカーとしての評価が高いYOKEE PLAYBOYが初来日した。スマトラ島沖地震で壊滅してしまったピピ島のピピスクールを復興するのが目的のチャリティーライブに出演するためだ。彼と一緒に来日した2人の盟友、ギターのADUN(FRIDAY)とキーボードのJERRY(2DAYS AGO KIDS) も交えてのインタビューになった。

──今回はピピスクールの復興を目的としたチャリティーライブでの来日となったわけですが、チャリティーライブを行うことになったきっかけ、参加することになった経緯などを教えてください。

YOKEE PLAYBOY(以下、YOKEE):今回のチャリティーライブの主催者であるユキコが、ピピ島の学校を復興するためにライブをしたいと言っているのを聞いてぜひ協力したいと思ったんです。ユキコとはもともと知り合いで、2年前に彼女の結婚式に出席するために日本に来たことがあります。一緒に結婚式に出席したタイ人の友人がいるんですが、実はその彼が今回のスマトラ沖地震で亡くなってしまったんです。それで、ユキコが彼のことも含め、ピピ島の子供たちのためにチャリティーライブをしたいと考えているのを知り、それならぜひというわけで今回のライブに参加することになりました。

手前から YOKEE PLAYBOY、JERRY、ADUN

 

──YOKEEさんはピピ島へ行ったことはありますか?

YOKEE:ないです。でも、いろんな人たちからすごくキレイなところだと聞いていたので、すごく美しい島なんだろうなというのは想像がつきます。

──スマトラ島沖地震が起きたことで、何か心の変化などはありましたか?

YOKEE:タイは普段地震が起きないので、地震が起きた後には津波が起きることもあるということを知りませんでした。津波が起きる前も、タイ人同士で助け合うことはありました。でも、津波が起きたことで、本当の意味でみんなで協力し合い助け合うことの大切さを思い出し、国民全員の心がひとつになりました。津波がもたらした被害はとても悲惨なものだったけど、国のことをみんなで本気で考えるようになったのはとても大きなことだと思います。

──なるほど。タイ人の心がひとつになったということですね。

YOKEE:その通りです。

──津波で被害に遭ってしまった人たちに音楽で何かしたいというのはずっと思っていたことだったんですか?

YOKEE:そうですね。被害者たちのために何かしたいとずっと考えていたんですが、具体的に何をしたらいいのかというのはよくわからなかったんです。最初は募金や寄付、救援物資などを送るのがいいのではとも思っていたんですが、僕は音楽をやっているので、やはり音楽で役に立ちたいと思いました。だから、今回のチャリティーライブので少しでも役に立てるならとてもうれしいですね。

──今回は日本でのライブですが、そういったチャリティーライブはタイの方でもしたんですか?

YOKEE:はい。タイでもチャリティーライブはしました。それから、『サップ・ナムター・アンダマン』というエート・カラバオによるチャリティーコンピレーションアルバムに参加して、津波に関する曲も書きました。これはすごく話題になったアルバムです。

──ADUNさんとJERRYさんはピピ島に行ったことはありますか?

ADUN:はい。

JERRY:行ったことがありますよ。

──普段は3人ともそれぞれ別のバンドで活動しているんですよね?

YOKEE:僕はシンガーで、ADUNはギタリストでJERRYはキーボーディスト。2人はそれぞれFRIDAY、2DAYS A GO KIDSというバンドをやってますが、僕のコンサートがある時はいつも2人が演奏してくれます。僕たちは幼なじみで一緒に育ってきたんですよ。

──JERRYさんも曲を書きますか?

JERRY:はい。2DAYS AGO KIDSではもちろん僕も書きますよ。

──ADUNさんはどうですか?

ADUN:はい。もちろん僕も自分のバンドでは曲を書きます。実はFRIDAYと2DAYS A GO KIDSはTROULEというレコード会社を作って、YOKEEも一緒に3人で経営しているんですよ。

──好きなアーティストは誰ですか?

YOKEE:僕はビートルズとヴァン・ヘイレン。

──JERRYさんは?

JERRY:日本のアーティストだとスピッツが好きですね。

ADUN:彼はスピッツが本当に大好きなんですよ。

──本当ですか? スピッツはタイが好きなんですよ。

JERRY:知ってます! そうらしいですね。

──スピッツの曲で「ロビンソン」という曲がありますが…。

JERRY:知ってる知ってる!「ロビンソン」っていう曲はタイの「ロビンソンデパート」のことを歌ってる曲だって聴いたことがあるよ(笑)。

──真相はわからないですけど、そういう噂は僕も聞いたことがありますよ(笑)。本当なら彼らは本当にタイが好きなんですね。

JERRY:他にもピチカート・ファイブとかコーネリアスはいいね。今はもっといろんな日本の歌手のことを知りたいですね。

 

 

YOKEE PLAYBOY

Profile

タイのベーカリーミュージック所属のポップメーカー。YKPB名義でオリジナルオリジナル4枚、ベストアルバム1枚、ベストDVD1枚をリリース。また、本名のPIYA SASTRAWAHA個人名義でも多数のミュージシャン作品に参加、コラボレーションを行っている。ボーカリスト、作曲家としてもベーカリーには欠かせない存在。もうすぐ5枚目のアルバムがリリースされる予定。

──みなさん日本に来るのは初めてですか?

YOKEE:みんな2回目です。先ほども言いましたが、僕は2年前に結婚式に出席するために来ました。

JERRY:僕は1984年、20年前に家族と一緒に遊びにきたことがあります。

ADUN:僕も小さい頃に家族と一緒に来たことがあります。小さすぎてどこに遊びに行ったかとかはほとんど覚えていないけどね。僕たちが小さい頃は日本とタイの貨幣価値がそれほど変わらなかったので、今よりも気軽に日本に来ることができたんですよ。

──日本の印象はどうですか?

JERRY:日本はあまり差別がないですよね。例えばお年寄りも体の不自由な人でも平等でしょ。でもタイではそうじゃない。

YOKEE:何かやりたいことがあった場合、日本人はアイデアや行動次第でやることができるけど、タイではいろいろと難しい部分があるんです。あと、日本料理がおいしい(笑)。醤油ラーメンはおいしいですね。

──日本に来てびっくりしたこととかあります?

YOKEE:日本の女性はみんなキレイだね(笑)。地下鉄が多いことにびっくりした。あと、ゴミ箱を探すのが難しい(笑)。

──話は変わりますがYOKEEさんはもうすぐ5枚目のアルバムを出すそうですね。

YOKEE:はい。これからどういう生活を送っていくかということをテーマに制作しました。みんなが希望とか夢を持って歩いていけるような内容のアルバムです。

──サウンド面はどんな内容ですか? 今回のライブのようにアコースティックサウンドがメインになるんですか?

YOKEE:アコースティックの曲も入ってるけど、バンドスタイルでライブ感のあるサウンドなど様々です。

──ニューアルバムの聴きどころを教えてください。

YOKEE:聴き所ですか? それは聴く人に自由に決めてもえるとうれしいです。聴く人のイマジネーションを広めたいですね。

──では最後に今後の目標を聞かせてください。

YOKEE:日本でアルバムをリリースしたい。でも、まずはライブをやって僕たちが日本人に受け入れてもらえるかを見てからだね。タイの歌を世界に広めていけるといいですね。日本人はたいていみんな音楽が好きですよね。ぜひYOKEE PLAYBOYの音楽を一度聴いてみてください。そして、FRIDAYと2DAYS AGO KIDSもよろしくお願いします。