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僧侶用に防弾版入り僧衣を開発─タイ南部

 タイからの分離独立を標榜し、国際テロ組織ジュマ・イスラミーヤとの関連が疑われるイスラム系武装集団、新PULO(パッタニー統一解放機構)、GMIP(パッタニー・イスラム・ムジャヒディン運動)、BRN(パッタニー・マレー国民改革戦線)等が活動を続けている、南部地域。この南部地域に位置するナラティワート県、ヤラー県、パッタニー県に暮らす僧侶のために、安心して托鉢に行けるようにと防弾板入りの僧衣が開発された。

 この防弾板入り僧衣はタクシン首相が南部地域を訪れた際にお披露目され、実際に11ミリと.357の銃を使ってその効果をテストしてみせた。

 今回の防弾僧衣開発のきっかけになったのは、ナラティワート県のウライラッタナラーンというお寺の僧侶が暴行されて亡くなったり、重傷を負った人もいたことから。僧侶たちは「防弾板入りの僧衣は仏教に違反するものではない。南部地域の僧侶たちは安心できるし、身を守ることができる」と好評のようだ。しかし、この防弾板入り僧衣を僧侶たちが着用することによって、諸外国や他県に、南部3県の紛争はあまりにも大きいという印象を与えてしまう可能性もある。こういった問題に対しては「そうは思いません。ずっと前から紛争やテロの問題があったのに、問題を解消する方法はおろか、身を守る方法さえ開発されてこなかったのです。まずは身を守ることが先決です」と語った。ヤラー県に住む僧侶のひとりは、「私は防弾板入り僧衣はあまりいい方法とは思えません。決して仏教の教典に違反しているわけではありませんが、ここまでしてしまうとただ問題を混乱させるだけになってしまうと思います。そういったことではなく、もっと根本的な解決を考えなくてはなりません」と困惑した様子で話してくれた。

 防弾僧衣を実際に目にしたタクシン首相は、銃の問題についても次にように述べた。「南部3県では教師が銃を持つ権利を与えられている。もちろん、銃を持つのは自由。ただ、銃の扱い方をきちんとわかっている人でないと持つのは難しい」。実際に護身用に銃を持つことを許されてはいるが、「もうこの地域には住めない」と教師1100人(うち県外への移動700人)が、移動しているという。政府は他の教師たちも早めに移動させてあげたいと考えているようだが、それよりも教師たちが住む場所をテロや紛争から守る方法を考えるべきなのでは。銃問題については改めて12日に話される予定。

(2005年7月11日-タイ)