タイ王国.com
ニュース&トピック

風邪薬がもとで失明した女性が勝訴

 病院から投与された風邪薬がもとで失明をしてしまった女性が、病院を相手取り損害賠償を求めていた事件で、8月4日、ノンタブリー県の裁判所はこの女性に80万バーツと銀行利子7.5%を支払う判決を下した。

 この事件は6年前の1999年10月25日に起こったもの。被害者の女性、ドープラッ・ペッパスーさん(45歳)は、ナコーンサワン県のウィティテーデパートの清掃係として働いていたが風邪をひいたため、サワンパチャーラッ病院に所属している医師の個人クリニックへ行き、風邪薬をもらった。しかし、その薬を服用したところ皮膚の水ぶくれ、ひどい口内炎といった激しいアレルギー症状が出て、目も真っ赤に腫れあがり涙が止まらないような状態になってしまった。そこで彼女はサワンパチャーラッ病院に行って診察を受けて新しい薬を出してもらい帰宅したが、さらに症状が悪化してしまった。もう一度病院に戻ると、その場で入院することに。ところが、1999年10月28日、治療の効果もなく両目共に失明してしまったという。そこでドープラッさんは、1300万バーツの損害賠償を支払うよう病院に求めていた。

80万バーツの損害賠償を勝ち取ったドープラッさんは次のように語った。「本当はお金なんかじゃなくて、元通り目が見えるようになりたい。子供たちや周りの人をこの目で見たいのです。失明してしまったため、今は仕事もできなくなってしまった。社会保険から毎月2000バーツ支払われているが、家賃や薬代で飛んでしまって全く足りませんでした。今回の裁判所の決定に感謝しています」。

 この事件を受け、厚生労働省は全国の各病院に「患者の体の状態を詳しく調べてから薬を投与しなくてはならない。確認できないうちに薬を出してはいけない」との注意を出した。

 失明してしまったドープラッさんは、スティーブン・ジョンソン症候群(※)の患者だった。

(2005年8月5日-タイ)

※スティーブン・ジョンソン症候群…多型滲出性紅斑(水疱性多型紅斑)と呼ばれる疾患でアレルギー反応の一種と考えられている。細菌、ウィルス、マイコプラズマなどの感染でも起きるといわれているが、薬剤による副作用が最大の原因と疑われているが、現段階では原因は不明。突然発症し、初期自覚症状としては発熱、浮腫、水疱、顔面や手のひら・足裏に現れる紅斑、目の充血、食欲不振、全身倦怠感、関節痛など。その後、短時間で全身性に拡大し、粘膜部では水疱やびらんがひどくなり、失明することもある。予後は悪く、多くの患者が後遺症に悩まされている。